優秀な社員を質・量ともに十分確保することは、人材戦略の重要な部分を占めます。優秀な社員は、採用するか、育成するか、あるいはその組み合わせによって確保することになります。
採用については、新卒採用とキャリア採用に分かれます。
新卒採用や第二新卒採用は、ポテンシャルの高そうな社員を採用して、優秀な社員に育成していくことを主眼にしていますので、総合能力評価(※)でいうと「基礎能力」と「リーダーシップ・マネジメント力」を重視して採用します。またチームメンバーとして一緒に働くうえで「人間性・人格」も重要な要素となります。中途のキャリア採用では、即戦力としての活躍が期待されますので、業務の「専門性」も重要視されます。
ポテンシャルは人事部で見極めることが可能ですが、専門性はその業務領域のプロである社員に見極めてもらう必要があるでしょう。
(※総合能力評価の項目については「リーダー育成のための人事評価」シリーズをご参照ください)
育成は、研修や自己啓発などの知識習得と、キャリアなどの経験に分かれます。社員に身に着けて欲しい知識や考え方などについては、社員研修や自己啓発のためのセミナーや通信教育などのプログラムの提供、必要な資格の義務化や推奨などを充実させていきます。
同時に本人の希望と特性も考慮しながら、社内移動や出向などでさまざまなキャリアを積ませることにより、経験値を高めて知識を実際に使える能力として身に着けてもらうことが重要です。ゴルフで言えば、打ち方の基本知識を習って、実際に多くのボールを打つことで身に着けるイメージです。
将来の経営者を育成していくためにも、どのような知識を身に着けてどのような経験を積んで成長してもらうかは、本人と会社が認識を共有しながら進めていくことが大切になります。