女性活躍賛成、クオータ制は反対
女性活躍は、少子高齢化が進む日本の中で労働力としての女性への期待が高まる一方、出生率を上げるために出産・育児(男性の参加も含めて)との両立支援が必要であり、とても重要なテーマです。
その女性活躍の議論の中で、日本は議員や会社役員における女性比率が欧米に比べて低く女性の登用が遅れているので、解決策として「クオータ制」つまり一定数や一定割合を女性にする制度を導入すべきという意見が良く聞かれます。例えば、ある国の男女の比率が50%ずつだとしたら、国会議員の男女比率も50%ずつにするというルールを導入すべきという意見です。
わたしは、クオータ制には一定の効果はあるものの、クオータ制を無理やり導入して一定の男女比率をすぐに達成しようとすることには懐疑的です。議員数や公的な委員会などは導入の余地はあると思いますが、特に会社の役員や管理職の昇格数などにクオータ制を導入する事は、明確に反対の意見です。
誤解されると困るのですが、わたしは女性より男性の方が会社員として優れているなどとは全く考えていません。また女性が活躍するための産休・育休などの制度の充実やメンターなどのサポートは、どんどん推進すべきだと思っています。今時そんな会社は少ないと思いますが、男尊女卑や女性は家庭を守るべきといった考えが残っていて、女性が昇格や登用でワリを食っているとしたら、すぐにでも改めるべきだと思います。
ではなぜクオータ制には反対なのか。理由は二つあります。一つは時系列データを見ると女性役員や管理職の比率と日本経済に明確な相関関係を見出せない事、もう一つは企業にとって最も大切な社員のエンゲージメントを下げるおそれがある事です。