人事評価#8 総合能力評価の項目③ (能力(3)専門性)

業務ごとに固有の専門的業務遂行能力

 基礎能力やリーダーシップ・マネジメント力などの汎用的能力に対して、専門性は業務ごとに固有の専門的業務遂行能力についての評価です。仕事をする業務領域で成果を出すためには、その領域の専門的知識や技能、資格取得などが必要です。

 専門性をどういう業務領域で区分するのか、専門性レベルをどのように表示するかは、企業にどのようなビジネス・職種があり重要度をどう考えるかにより様々です。

 また業務ごとの専門性には、基礎能力やリーダーシップ・マネジメント力の各項目と重複する場合もあり重要度にも濃淡があります。評価のポイントなどは業務領域ごとに個別に設定すべきです。

 専門性はその業務領域での経験が長いほど高くなる傾向にあります。一方で様々な領域に異動する人は多様な領域の専門性を保有することになります。一つの業務領域が長くスペシャリストとしてのキャリアを歩む人と、様々な業務を経験してゼネラリストとしてキャリアを積む人は、リーダーとしてどちらが上でどちらが下ということはありません。したがって専門性はリーダー選抜の評価項目としては、あくまでも参考データにとどまります。

 人事部門としては、保有する専門性は異動やポスト登用の際の参考データとして重要ですので、社員が保有するスペックとしてしっかり記録して活用すべきものです。

人事部長F について

大手金融機関で人事業務を8年、うち人事部長を4年間務めきました。 人事部長として考えてきた人事戦略・人事運営に関する考えを このブログで発信していきます。
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