他者への働きかけによりチームで成果を上げる能力
リーダーシップ・マネジメント力では、他者との関係性の中で付加価値を発揮し、チームで成果を上げる能力を評価します。
組織の目標を自分事として捉え、自分を基点に、上司も含め関係者を巻き込んで仕事を動かす能力であり、基礎能力とともに業務領域にかかわらず必要な汎用的能力です。またタスクマネジメントの一部など自分自身を管理するセルフマネジメントという側面もあります。
① リーダーシップ・チームワーク
組織の成果のために自分の役割を理解し貢献しているか、を評価します。
チームの成果に当事者意識を持っているか、指示待ちではなく能動的に責任感を持って行動しているか、自分を基点に関係者を巻き込んでチームを動かしているか、チームリーダーは風通しの良い組織を作れているか、ビジョンや方向性を共有してチームを導いているか、などが評価ポイントになります。
➁ タスクマネジメント
仕事の難易度と量を把握し、段取りをつけて管理する能力を評価します。生産性を上げて効率的に仕事を進めるうえで重要な能力です。
プレイヤーとしては自分の仕事に優先順位をつけ、段取りを考えて期日と品質を管理できているか、リーダーは仕事の難易度とメンバーの力量を見極めタスクを適切に配分できているか、つまづいている要因を的確にとらえて手を打つことができるか、などが評価ポイントになります。
③ コミュニケーション
上司、部下、チームメンバー、仕事の相手方などの関係者と、必要なコミュニケーションを円滑・有効に取れているかを評価します。
自分の意見を一方的に押し付ける、相手の意見を聞いているようでいて理解・共感しようとしていない、態度が悪く周囲と良好な関係が保てない、怒りの感情を制御できず冷静な対応ができなくなるなどの行動はコミュニケーション力が高いとは言えません。
相手の話を理解し共感しようとする姿勢で傾聴しているか、自分の意見を相手に的確に伝えられているか、率直で建設的な議論ができているか、などが評価のポイントになります。
④ 指導・育成力
チームメンバーの成長につながる指導・育成力を評価します。
メンバーの強みと課題を的確に把握しメンバーの特性に合った指導ができているか、具体的で分かりやすいフィードバックを行っているか、メンバーに気づきを与えて自律的な成長に繋げているか、などが評価ポイントになります。
元マッキンゼーの伊賀泰代氏は著書「採用基準」の中で、リーダーシップとは「チームの成果の為に必要なことをやる」ことであり、チームリーダーはもちろん全てのメンバーに必要だと述べています。
チームリーダーのリーダーシップについては、先頭に立ってメンバーを引っ張るタイプや仕組みを作って自律的にメンバーを動かすタイプなどさまざまです。どのタイプが良いかは、平時のリーダーか危機時のリーダーかによっても違い一概には言えませんが、上記①から④については企業のリーダーにすべからく必要になる能力だと思います。